SNS・ブログ・外注スタッフの運用は、「制作物の進み具合」と「外注依頼の条件」を分けると管理しやすくなります。Googleスプレッドシートでは、まず1つの制作物を1行にして、担当者・期限・状態をそろえましょう。
チャットに依頼、メールに原稿、メモ帳に締切。「あの件どこだっけ?」を減らすための記事です。パソコンで管理表を作る手順を、貼り付け用の項目、SNSとブログの記入例、外注台帳、簡単な集計式の順で説明します。専門ツールや自動投稿から始める必要はありません。
操作・公式情報の確認日:2026年11月3日。例に出す担当者・案件・日付は説明用の架空データです。実績や料金相場ではありません。
最初に分けるのは「制作一覧」と「外注台帳」
制作一覧は「何が、誰の作業待ちか」を見る表、外注台帳は「誰へ、どの条件で依頼したか」を確認する表です。依頼IDという共通の番号でつなげれば、同じ説明を何度も書かずに済みます。
SNS投稿・ブログ記事ごとに、担当・期限・確認・公開を管理。
依頼した作業、納品条件、報酬条件、検収・支払いを管理。
確認待ちや公開済み件数を把握。成果の評価とは分ける。
同じスタッフに記事2本を依頼したなら、制作一覧は2行にします。「Aさん」という1行へ全部詰めると、どちらの記事が終わったのかわからなくなります。反対に、ブログ記事とその告知SNS投稿は別の制作物。別行で管理します。
外注先へ見せる表と、運営者だけの表は別ファイルにする
報酬条件や他の外注スタッフの情報を見せたくない場合は、最初からファイルを分けます。同じファイル内でタブを非表示にするだけでは、情報を守る方法になりません。
Google公式も、シートの保護はセキュリティ対策ではなく、非表示と保護は別の機能だと説明しています。外注先へは必要な制作物と資料だけを共有し、住所・口座・パスワードなどを一覧へ書き込まないでください。公式:シートの保護と非表示
手順1:制作一覧を作り、1行目に項目を貼る
まずGoogleスプレッドシートの空白ファイルを開き、シート名を「制作一覧」にします。下の1行をコピーし、A1セルを1回選んで貼り付けると、項目を横に並べられます。
管理ID 種別 媒体・掲載先 担当 納品期限 確認期限 公開予定日 状態 原稿・素材リンク 公開URL 実公開日 依頼ID メモ
セルの中を編集中の状態ではなく、A1を選択した状態で貼ります。環境によって1つのセルに入った場合は、貼り付けた範囲を選び、「データ」→「テキストを列に分割」で区切り文字の自動検出を試してください。うまく分かれないときは、下の列の説明を見ながら見出しを1つずつ入力しても構いません。列の意味は次のとおりです。
| 列 | 項目と使い方 |
|---|---|
| A〜D | 管理ID・種別・媒体・担当。例:BLOG-001/ブログ/WordPress/Aさん。 |
| E〜G | 納品期限・確認期限・公開予定日。納品日と公開日を同じものとして扱わない。 |
| H | 状態。制作中、確認待ち、公開済みなどから1つ選ぶ。 |
| I〜K | 原稿・素材の場所、公開URL、実際に公開した日。予定と実績を区別する。 |
| L〜M | 外注依頼の番号と補足。社内制作なら依頼IDは空欄でもよい。 |
日付の列には「2026/11/12」のような日付を入力します。「来週中」「できるだけ早く」では並べ替えや集計ができません。日時まで必要なら、チームで時刻とタイムゾーンの書き方も統一します。
見出し行を固定して、表の途中でも迷わないようにする
1行目を固定すると、下へスクロールしても項目名を見ながら入力できます。横に長い表では、管理IDなど必要な列だけを固定しても便利です。
パソコン版の「表示」→「固定」から、1行目を残す設定を選びます。細かな画面は更新されることがあるため、見つからないときはGoogle公式の固定手順を確認してください。
手順2:SNSとブログを、それぞれ1件ずつ入力する
最初は実際に管理できる少数の行で試します。SNSもブログも共通の列を使い、媒体ごとの細かな確認項目は原稿やチェックリストへリンクします。
| 項目 | ブログの例 | SNSの例 |
|---|---|---|
| 管理ID | BLOG-001 | SNS-001 |
| 種別/掲載先 | ブログ/WordPress | SNS/Instagram |
| 担当/依頼ID | Aさん/ORDER-101 | Bさん/ORDER-102 |
| 納品→確認→公開予定 | 11/10→11/11→11/12 | 11/12→11/13→11/14 |
| 状態 | 確認待ち | 制作中 |
| 公開URL/実公開日 | 未公開なので空欄 | 未公開なので空欄 |
上の例はすべて2026年の架空案件です。実際の表には年を含む日付を入れます。原稿リンクだけでなく、どの版が確認対象かもメモすると取り違えを防ぎやすくなります。
ブログは「原稿の納品」と「サイトで公開」を分ける
ライターから原稿が届いても、ブログの運用は終わりません。内容確認、画像・権利、内部リンク、タイトルや説明文、プレビュー、公開後の表示確認を、誰が担当するか決めます。
外注スタッフが原稿まで担当し、WordPressへの入稿と公開を運営者が担当するなら、その分担を外注台帳に書きます。ログイン情報を表に載せたり、原稿納品の連絡だけで公開済みにしたりしないようにしましょう。
SNSは「予約済み」と「実際に公開された」を分ける
SNSの予約設定ができても、予定時刻に公開されたかは別の確認です。実際の投稿を開いてから、公開URLと実公開日を入力します。
この管理表自体にSNSへ自動投稿する機能を付ける手順は含みません。日程の組み方や公開前後の確認は、SNS投稿カレンダーの作り方も参考にしてください。
手順3:状態をプルダウンにして、表記をそろえる
H列の状態は、候補から選ぶプルダウンにします。「完了」「済」「公開した」が混ざると、同じ状態でも別の値として集計されてしまうためです。
- H2:H1000を選択します。
- 「挿入」→「プルダウン」を選びます。
- 候補に「依頼前」「制作中」「確認待ち」「修正中」「公開可」「予約済み」「公開済み」「保留」を登録します。
- 1つのセルで複数の状態を選ばない運用にし、設定を完了します。
候補名はこの例の通りでなくても構いません。ただし、下の集計式を使う場合は、状態名を式と一致させてください。操作の詳細は公式のプルダウン作成手順にあります。
「公開可」は確認者の判断、「公開済み」は実公開の確認を済ませた状態です。この2つを分けるだけでも、許可したつもり・公開したつもりの行き違いを整理しやすくなります。
手順4:外注スタッフごとの依頼と支払いを別に管理する
運営者だけが確認する別ファイルに「外注台帳」を作り、依頼単位で1行にします。スタッフ名だけでなく、制作一覧の管理IDと依頼IDを一緒に記録しましょう。
- 依頼ID・管理ID・担当者:どの作業を、誰へ依頼したか。
- 業務範囲:構成、執筆、画像、入稿、公開など、含む作業と含まない作業。
- 納品条件:形式、納品先、必要な確認事項、合意した期限。
- 報酬条件:合意した金額、税込・税別の扱い、追加作業や経費の扱い。
- 修正条件:対応範囲、回数の数え方、追加費用が必要な場合の相談方法。
- 検収:納品物を確認して受け入れた日、または修正相談中の状態。
- 支払予定・支払状況:合意した期日、未払い・手続き中・支払済みの区別、確認資料。
金額や支払日は、この表で一方的に決めるものではありません。双方で合意した依頼書・契約・取引サービス上の条件を確認して転記します。これは進行管理の例であり、個別案件の契約や法令上の判断を代わりに行うものではありません。
「納品済み」「検収済み」「公開済み」「支払済み」は別
納品されたこと、内容を受け入れたこと、読者へ公開したこと、支払いを確認したことは、それぞれ別の事実です。すべてを「完了」1つにまとめないようにします。
たとえば原稿は納品済みでも、画像の権利確認が残っていれば公開前です。公開済みでも支払いが未処理なら、外注台帳にはその状態を残します。修正を依頼するときは、修正箇所と希望を具体的に伝える例のように、対象版と対応してほしい点をそろえてください。ブログ原稿にも同じ考え方が使えます。
手順5:担当者と状態で絞り、確認待ちを見つける
日々の確認では、全部を上から読むより「自分が見る行」へ絞る方が取りかかりやすくなります。担当者と状態を使い、今日確認する作業を見つけましょう。
- A1:M1000など、見出しを含む表全体を選びます。
- 「データ」のフィルタ機能を使い、H列で「確認待ち」を選びます。
- D列で担当者を絞り、F列の確認期限を見ます。
- 確認が終わったら、状態と必要なメモを更新します。
並べ替えは表全体を対象にし、担当者の列だけを動かさないようにしてください。共同作業でほかの人の見え方を変えたくない場合は、フィルタ表示を使います。公式:並べ替えとフィルタ
期限を過ぎた「確認待ち」だけ色で知らせる
色を付けるなら、意味を一つに絞ります。ここではF列の確認期限が今日より前で、H列が「確認待ち」の行だけを目立たせる例にします。
A2:M1000を選び、「表示形式」→「条件付き書式」でカスタム数式を選び、次を入力します。
=AND($A2<>"",ISNUMBER($F2),$F2<TODAY(),$H2="確認待ち")
管理IDが空の行や、期限が日付として認識されていない行を除き、期限を過ぎた確認待ちだけが対象です。今日が期限の行は含みません。色は確認を促す目印であり、自動メールやチャット通知を送る設定ではありません。公式:条件付き書式
手順6:確認待ちと月間公開数を、簡単な式で数える
集計は、まず作業の詰まり具合と公開件数だけにします。投稿数や記事数が増えたことを、売上や集客の成功と同じものとして扱わないことが大切です。
同じファイルに「集計」シートを作り、空いているセルに次を入力します。制作一覧のH列が「確認待ち」の件数です。
=COUNTIF('制作一覧'!H2:H1000,"確認待ち")
2026年11月に実際に公開したブログ記事だけを数える例はこちらです。種別B列、状態H列、実公開日K列を使います。予定日G列を使わない点がポイントです。
=COUNTIFS('制作一覧'!B2:B1000,"ブログ",'制作一覧'!H2:H1000,"公開済み",'制作一覧'!K2:K1000,">="&DATE(2026,11,1),'制作一覧'!K2:K1000,"<"&DATE(2026,12,1))
SNSを数えるときは「ブログ」を「SNS」に変更します。年・月・上限日も対象月へ直してください。12月分は翌年1月1日を上限にします。行を1000行より増やした場合は、参照するすべての範囲を同じ長さへ広げます。COUNTIF公式、COUNTIFS公式
例として、11月公開のブログ1件、12月公開のブログ1件、11月公開のSNS1件がある場合、ブログの11月分は1件です。公開URLだけを入れて状態や実公開日が空なら、この式では公開済みとして数えません。元の入力を確認しましょう。
手順7:共有範囲と、更新する人を決めて使い始める
管理表を作ったら、誰が何を更新するかを決めます。外注スタッフは制作状況、確認者は公開可否、運営者は実公開と支払いなど、判断できる担当が記録します。
共有前には、対象ファイルと相手を確認し、閲覧・コメント・編集のうち必要な権限だけを選びます。ファイルだけでなく、原稿や素材のリンク先が必要な相手に開けるかも確認してください。親フォルダの共有範囲が影響することもあります。公式:共有とアクセス権
- 連絡窓口:遅延や変更を、誰へ知らせるか。
- 更新時点:納品・確認・公開など、いつ表を直すか。
- 変更の記録:期限を変えた理由と、誰と確認したか。
- 定期確認:確認待ち・期限・検収・支払いを、担当がいつ見るか。
最初はSNS1件とブログ1件で、依頼から公開まで一巡させてみてください。入力を続けられない項目は見直し、通知や権限の管理が表では難しくなった段階で専用ツールを比較します。最初から全部自動化するより、「誰の次の作業か」がわかる小さな表を育てる方が、日々の運用へつなげやすくなります。
